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"憑神" [映像(映画・放送)雑感]

憑神
邦画 悟りの道は無感動?系
降旗康男監督
B中
2007年 107分



<<粗筋>>
 時は幕末、お江戸の話。戦に際して将軍の身代わりを務める御徒侍、別所家の次男彦四郎(妻夫木聡)は婿養子として井上家に入ったが、殿中で家来同士が喧嘩したと離縁されて兄夫婦のいる実家に戻っていた。昌平黌の学友榎本武揚(本田大輔)が向島の三圍稲荷に詣でて出世したと、二八そば屋のオヤジ甚平(香川照之)に参拝を勧められる。酒に酔った彦四郎は、河原で倒れたところにあった三巡稲荷に柏手を打って宜しく頼むと願をかける。

 彦四郎は覚えていなかったが家に送ってくれた者を、母イト(夏木マリ)から訊ねられ、向島の稲荷・・・と言い掛けて、用心棒に来てくれと云う向島の伊勢屋だと答える。彦四郎の前に向島の伊勢屋と名乗る男が現れ、飲めや歌えやの宴となる。彦四郎が、福の神かと尋ねると貧乏神(西田敏行)であるという。折から別所の家には御徒衆の株を 500両で売ってくれとの話があり、兄左兵衛(佐々木蔵之介)は乗り気だったが、借金を払うと一気に無一文になる貧乏神の計画だった。

 井上家に相談に行くが、けんもほろろの扱いで主人は使用人小文吾(佐藤隆太)に彦四郎をつまみ出すように命じる。元妻の八重(笛木優子)は彦四郎に変わらぬ愛情を持っているが小文吾と屋敷外に出る。小文吾は離縁の元になった家来のケンカも井上家が仕組んだものと告げ、また伊勢屋が物の怪であると見破り追い払う呪文を唱える。その苦しさに貧乏神は宿替えの方法で、彦四郎の知り合いに不幸を向けることが出来ると白状し、彦四郎は思わず井上家が貧乏になるように云う。

 務めを果たした貧乏神は去るにあたって、「三巡り」だから後二つ神様が来ると告げる。次に来るのは疫病神であると・・・。

<<ポイント>>
 喜劇かと思って観ていてあまり面白くないと二回ほど途中でやめた。(^^;最後まで観ると決して喜劇でなくそれなりに面白い展開なのだ。面白いと見終わって、やはり映画としてどうだろうかと思ってしまった。いや神様も三人(さすが、多神教の日本)出てくるし、彦四郎の成長もあり充実した映画であると云えるのだが。

 疫病神の九頭龍(赤井英和)も良いし、チャーミングな神おつやgood naming(森迫永依)はちびまる子らしく(知らなかったm(_ _)m )直球一本やりで面白い。西田敏行さんは僕の場合、別格本山(痩せてシリアスな役を必ず一回はお願いしたい)。脇を固める俳優さんも兄左兵衛の無責任さ、井上家使用人小文吾の律儀さをしっかりと演じ気持ちよい。主人公を演じた妻夫木聡さんも、貧乏神には発作的に井上家への宿替えをお願いしたが、誠実な役柄をしっかりと演じている。充分に観ていられる。

 私見では、この映画は軽い喜劇のノリではじまって上野寛永寺の彰義隊で感動のピークを迎えるはずだった。彦四郎は「人に出来て神に出来ぬこと。志のために死ぬことだ」と気づき(当時として考え方?原作者のメッセージかも知れないが・・・、若い人に勧めてはダメ。生きるのが困難になるとこの世にしがみつくのが人間と思う。)「限りある命が儚いのではない、限りある命であればこそ死によって輝きを放つことが出来る」と決心する。大事なことだから書いておくが、これはおつやがやって来た時にこそ考える問題だ。その輝きは将軍(描き方が一方的で不満)・自分・彰義隊の名誉と誇りのためである。この輝きを描けなかったことが映画の失敗だろう。それまでの不幸な神々との出遭いで終わってしまったのだ(タイトルが憑神だからそれでも良いけど勿体ない)。原作者とおつやの会話まで出すことで輝いていたと強調しても、映像で語るべき輝きがなかった!!勝海舟の祝福はあったものの、あまりにもみじめな孤高な姿でしか描かれていないと思った。最低限彦四郎に気付く彰義隊の面々の名誉と誇りに溢れる映像-それが彦四郎の名誉と誇りなのだ-が必須だったのではないか。

 で、まあ思ってみれば彦四郎は淡々と誠実に生きている。宿替えして貰った結果を素直に反省して心痛めている。結果平常心で自分のあるべき姿として上野に向かう訳だが、煩悩を捨てた仏の道が無感動につながるとの映像であれば参った参った(違うよね、それならおつやの科白も違ってくるだろう。また、仏の道も違う力でしょう)。

 疫病神から病を宿替えで貰った方は重篤になる。彦四郎が生死を尋ねると、疫病神は「あのような脳天気な人は病に強い」と応える。あるよねぇー、結構無茶している人が長持ちするとか(一般的でないから絶対に無茶しないように)。少なくとも病気に負けて気分が落ち込むことよりは良いのだろうと思う。僕も脳天気にやってきたが、症状が強いとつい病気を思ってしまう。今はこれほどではないが、「暫しの間で良い。この苦しみを、病を楽にしてはくれぬか」と疫病神に訴える気持ちは判る。診察中に指先が千切れるような痛みになった時にはそう願ったものだ。症状がなくなっていて再発したのでイヤな気分になるが当時から云えば 3割ほどの痛みでしかないだろう。それも改善傾向がはじまったようだ、ホッ。

 貧乏神も本当に凄い神様だと納得させることが必要だと思う。ニュースで生活保護を断られたために云々と報じられるが、貧困は命に関わることが本当なのだから。まあ、この映画にそこまで期待することはない。

 チョットあれっと感じるが役者さんも良いし楽しめると思います。この映画にふさわしいと敢えてB中評価にしましたが、もっと上。

<<楽しめる人>>
期待すると裏切られるので気楽に観られる方 (^^;

自分の想像力を伴い、ストーリーをしっかりと把握できる方にはお勧め


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