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一心庵(土佐清水市下ノ加江)さんには「売家」の張り紙 [四国遍路]

一心庵(土佐清水市下ノ加江)さんには「売家」の張り紙

 2012年 4月 5日、僕は下ノ加江海浜公園でテント泊をして足摺岬に向かっていた。昨年は金剛福寺からお遍路をはじめたもので、無事終わったお礼参りだ(全部を回りきる前に大日寺からつないで岩本寺からも歩いて来ていたがお礼参りとして来たくなり、伊豆田トンネル手前でやめていた)。

 一昨年1日 8Kmの行程ではじめた歩き遍路だったが、一日24-25Kmは歩ける様になってきた。強い痛みに堪えながら歩いていたが、徐々に強い痛みは減ってきた。軽い痛みは続いているが、辛抱できなくなってしまう45分ほどは割と気楽に歩き続けることが出来るようになっている。時間を充分にとれば、30Km近い距離も可能でないかと思っている。

 例えば一昨年伊豆田トンネルを歩いた時、トンネルの手前で充分足を休めて入ったが、通り抜けるまでに痛みが楽になるまで四回休まざるを得なかった。立ったままだと楽になるまで一回当たり10分はかかる。だから長いトンネルを何時抜けることが出来るのかと絶望に近い思いをした。それが今回、伊豆田北坂でバスを降りてレストラン水車横の休憩所まで休むことなく歩けるのだ。v(^_^)

 しかし、今でも45分前後で休まないと、痛みと痺れ感で足が動かなくなる。そうなると一昨年と同様だ。どこでも座れそうな場所を見つけて休まなくてはいけなくなる(もっとも一昨年は待ったなしになるので、イスパックを購入した)。座れそうな場所を見つけるのは慣れている。乾いた側溝なら足を下ろして座り込む、探してみるとコンクリートの階段が海や川、山に向かって結構あるものだ、人が居る所で、それなりに座れそうな所があれば声をかけて断られることはまずない・・・。

 この時もそうだった、足が痛くなっていた。風も強いので笠の紐をもう少し絞めておきたいと、どこかないかと見ると国道からチョット離れた広場に椅子がある。迷わず座りに行き笠を外し紐を直そうとした。そうしていると道の向こう側からご年輩の女性が来てくれた。

「笠が壊れたのですか?」「宜しかったら、これを。」と錦の納め札とオロナミンCを頂戴した。正直、錦の納め札は好みでない。(^^;今までにも二回頂いたが、それをありがたがる方に差し上げた。でもお接待の錦札、丁寧にお礼を云って話はじめた。「どちらからですか?」バスに乗ったのは宿毛からだから、正直に地元宿毛ですと答えた。「私も随分クルマでお参りさせて頂いたが、本当に歩きの方は大変ですね。」「お遍路さんのために一心庵と云う所でお接待させて頂いていました。今でもトイレは開けてあげたいのですが・・・」ここで、エッと思った。

 一心庵さんは伊豆田トンネル・ドライブイン水車とともに下ノ加江近郊の目印になる所だった。国道から行くと下ノ加江の家々を通過し右折、橋を渡り国道が左にまわる所にあり、そこは旧遍路道との交差点であり旧遍路道(中村・三原両方)を通ってきても一心庵の前を通過する。白い建物自体も目立つが、お遍路案内所休憩所とともに一心庵としっかり書かれている。評判も良く宿泊や立ち寄る歩き遍路さんが多いところだった。前日海浜公園に行く前に寄ってみたいと思っていたが、「売家」と張られていた。僕は残念な気持ちになったものだ。

 道隆さん(隆は旧字体が本当と)のことは山陽新聞 得度女性営む無料休憩所に写真付きで紹介されている。起業したこともある。それを整理し、インドを旅し、50歳を超えて、たまたまバスツアーできたお四国にはまった。そして遍路をはじめて十数年前に得度した後、無料休憩所を考え、借家を探して、現在地に落ち着いた。休憩だけでなく、請われれば宿泊も。食事に翌日の弁当まで付ける。とあるので一心庵はご自分のものではなかったようだ。他のサイトによると開業までに牟岐町駅前の旅館「あずま」で一年間女将さんと生活をともにしたようだ。自らも車の遍路を続けながら、遍路のために生きる。ことにしたが、人を泊めたりすると責任があるから、いい加減にできません。大変です。余生は山にこもろうかと話しておられる。いずれは一心庵も閉じる気持ちがあったのかもしれない。僕は一度も立ち寄っていない(歩きの一度目は安宿さん泊まり、この時が二度目)ので、今回は寄ってみようと思っていたのだ。「売家」の張り紙を見て、宮城県気仙沼ご出身、震災があり故郷に帰られたのか?ご縁がなかったと思っていたのだ。

 僕が休憩したばかりに、わざわざ国道の向こう側からお接待に来てくれたのだ。感謝感激である。一心庵さんは売家になっていますが、庵主一心庵道隆さんはお元気で土佐清水市にご在住です。そのことをブログに書いて構いませんかと尋ねると、ネットではほとんど発信しなかったが皆様にはいろいろ書いて頂いた。どうぞ、書いて下さいと自然体。道隆さんの錦の納札、納経帳に挟んで一緒に回らせて頂きます。

P.S. 明日から三回目(二回目は膝を痛めて半分ほどクルマ)の歩きをはじめます。


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