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'バディソウル' [書物(本・雑誌)雑感]

バディソウル
鳴海章
光文社文庫
2008年 6月20日(初版1刷)  単行本:二〇〇五年一一月光文社(カッパノベルス)刊
ISBN 978-4-334-74432-8


 最近ヘンな本(経済学の啓蒙書)を読んでいたので、スカッとした小説を読みたくなり、文庫本を捜した。対テロ特殊部隊と表紙にあり、こんなタイプのものも読んでみようかと。そこは小説、一気に読みおえた。

 どのような本かと云えば、「いつの間に立ちあがっていたのか、恭子は自分でもわからなかった。いきなり機内が真っ暗となった。まるで自分の目の中に黒インクを流しこまれたような闇で何も見えなかった。囁き交わす声が聞こえ、客室の後方で機体を叩くような音が聞こえたかと思うと、機関銃を発射する音が聞こえた。あまりに凄まじい銃声に、銃撃が途切れたときには、耳に粘土でも詰められたようにつんとしていた。」と書くだけで話は進むのだろうが、その前に10ページにわたってその銃撃の模様が詳細に描かれる。話の骨格と恭子の周りの情景(もちろん、話の一部だが)が一般的だろうが、残りは緻密な戦闘画でも見るような感じである。

 この戦闘画が好きかどうかにかかっている本であろう。僕は嫌いじゃない。著者の略歴(Wikipedia)に警察・自衛隊関係はないので、超マニアなのだろう。兵器・戦闘場面に書かれている知識にはごもっともと思わせることも多い。最初の戦闘事件が 100ページを超えて描写されるが、そこを読める方は最後まで読めるしエピローグに入る直前 2ページの安堵感を味わえる。その場面が10ページで嫌になる方は、エピローグを読んで終わるか、再チャレンジですね。(^^;

 (旅客機自身を兵器にする)9・11以降、世界の戦闘機パイロットが民間機を打ち落とせるかどうか悩んだとありますが、どうでしょうか?残念ながら、現在の日本的感情でないでしょうか?敵が民間人と一緒にいる、民間人も一緒にやってしまえが軍隊の本質だと思います。日本軍の南京しかり、米軍のマニラ然り。戦場は狂気ですから。アッ、この本は戦争中ではなかった。m(_ _)m でも、軍人さんは命令に従うはずなので悩んでも(既に悩んでいれば結論として)ミサイル発射ボタンを押すと思います。

 最近は当然PCもしくはワープロをご使用だろうから、SIG/SAUER P220を「シグ」、89式自動小銃を「89orバディ」と単語登録して書かれていると思う。書かれている際のリズムが、変換された正式名称によって、読者のリズムを乱すのでないかとフッと思った。読むほうは naturalのままだから書かれるほうでご配慮願いたい(もちろん頭脳って凄いと思うけど、 SIGでP220の下を読んでいるし、89で銃の次を読んでいる)。昔は書くほうも面倒で、シグとか89式(兵器に興味がうすい作者は(自動)小銃)とかに略したのでないだろうか?リズムがとれ、読者が判ればそれで良いと思うけど。

 「バディソウル」とは最後の戦闘の作戦名であるが、意味は読めば判る。戦闘場面の緻密さに驚いたが、読み終わると作者は全体の話を作り上げて、書きたい所を存分に描いた小説と納得する。アッ、主人公は恭子でなく、北海道警察本部公安部特殊装備隊の仁王頭です。


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